文学のある風景(その2) 高見順「都に夜のある如く」上野不忍池
清水観音堂前から望む不忍池と弁天堂
・・・ 「私たちは本堂を出た。その本堂の前から、不忍池が一望に見おろせた。真直ぐ眼をおろしたところに、中島があり、それとこっちの岸をつなぐ天竜橋が直線に見える。元は、これと直線的に、中島と向こう岸をつなぐ観月橋というのがあって、私の学生時分は、玉置などと本郷から歩いて、その橋を渡って上野へ出たものだが、今は取払われて、七軒町の方へ出るのと、茅(かや)町の方へ出るのと、二つの道が池中につくられている。」・・・(高見順『都に夜のある如く」)
「本堂」とは上野の清水観音堂のことである。
清水観音堂は、寛永寺を開創した天海が京都清水寺を模して寛永八年(1632)に創建された。
上野公園内にあり不忍池を望む本堂正面の舞台造りは、江戸時代より広重などの浮世絵に描かれている。
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